テレビアニメ版「デビルマン」

アニメ版「デビルマン」とは

テレビアニメ版の「デビルマン」は1972年7月8日から1973年3月31日に放送されていました。空前の「変身ブーム」を受けて、NETテレビが「変身大会」と銘打った番組の一つとして、実写番組の「人造人間キカイダー」と組み合わせて製作されました。当時「お化け番組」とよばれた「8時だョ!全員集合」に対抗しての異例の夜20時台の放送となっています。「人類滅亡をもくろむデーモン族の妖獣に、デーモン族の裏切者デビルマンが人間を守るために戦う」という基本線は漫画と共通しています。しかし、作者の個性によって設定が拡大し終末テーマの大作SFへと発展していった漫画に対して、TVシリーズ版は1話完結でデビルマンが妖獣と闘うというスタンダードなヒーロー路線を最後まで貫きました。しかしほとんどのエピソードの脚本を担当した辻真先が永井豪作品のファンであり、そのテイストを意識してストーリーを展開したため、「勧善懲悪に終わらない毒のあるストーリー」「ギャグやブラックユーモアも交えた展開」など、永井作品の特色は充分に生かされていました。「戦中族」を自認する辻真先によると本作は「中国大陸で脱走した日本兵が、娘を守って日本軍をやっつける話」なのだそうです。脱走した日本兵はいずれ処刑される運命であり、漫画版に劣らない悲惨な最期であることが示唆されています。また、漫画版とは逆にデビルマン(悪魔)の意識が不動明を取り込んだ形になっているため、「愛に目覚めて人間の側に立った悪魔」という部分は漫画版よりも協調されています。物語はデーモン族との決着を見ないまま39話で終了しています。

ストーリー

ヒマラヤの氷の中に封じ込められた地球の先住民族・デーモン族が復活します。地球の支配権を手にするため立ち上がった魔王ゼノンは、デーモン族最強の勇者デビルマンを呼び出します。ヒマラヤ登山中だった日本人・不動教授と息子の明は、クレパスからデーモン一族の眠る氷の国へと転落し、デーモン族の妖獣たちに襲われてしまいます。不動教授は死亡しましたが、気を失った息子の高校生・不動明は人間社会へ尖兵として潜入するデーモンの宿主として選ばれてしまいました。デビルマンは、仲間の妖獣たちを倒して自らが尖兵となり、明の身体へと憑依します。孤児となった明=デビルマンは、不動教授の親友である牧村教授の家に引き取られますが、人間として生活する中で牧村の娘・美樹への恋愛感情が生まれ、次第に「人間界を滅ぼす」という使命に疑問を感じるようになります。デビルマンの変心に業を煮やした妖獣ヘンゲが美樹を襲ったとき、明はデビルマンに変身してヘンゲを倒します。こうして、デーモン族を裏切ったデビルマンは不動明として生活しながらも、美樹を守るために送り込まれる妖獣たちと戦うのでした。やがてその戦いは、美樹だけでなく牧村家の人々や友人たち、そして美樹の生きる人間界を守るための戦いになっていくのでした・・・。

アニメ版オリジナルキャラクター

デビルマン

アニメ版のデビルマンは、不動明に憑依し彼の身体を乗っ取るという漫画版とは逆の設定になっています。明として生活していくうちに、次第にミキに恋心が芽生え、やがて人類のために戦うようになります。アニメ版ではその姿も漫画版とは違って恐怖を感じさせないものとなっており、巨大化できるほか様々な能力を持っています。

  • デビルチョップ・・・デビルマンがするチョップ。
  • デビルキック・・・デビルマンがするキック。
  • デビルアイ・・・目からサーチライトのような光を発し、通常見えないものが見えるようになる。透視能力も。
  • デビルイヤー・・・通常聞こえない音が聞こえるようになる。
  • デビルウイング・・・空を飛ぶとき、背中から出す翼。
  • デビルカッター・・・腹部のベルトのバックルらしきものからでる、三日月型のカッター。電気から作っている。
  • デビルアロー・・・頭部の角から相手に向かって発射する電流。
  • デビルビーム・・・デビルマンの身体を使ってでる、デビルアーローより強力な電流。

高校の人たち

  • アルフォンヌ先生・・・明とミキが通う高校の教員。既婚者でありながらアベックに嫉妬したりグラマラスな女性に目を奪われたりとかなりのスケベ。しかしどことなく憎めないキャラクター。
  • ポチ校長・・・明とミキが通う高校の校長。小柄で威厳は全くないがコミカルなキャラクター。口癖は「せっかん、せっかん」。
  • 轟紀世彦・・・明とミキが通う高校の用務員。わりと常識人。
  • 東大寺入郎・・・明のクラスメート。暴力嫌いで明と度々衝突していた。
  • 千夜子(チャコ)・・・ミキのクラスメート。自宅は喫茶店「チャコ」を経営している。
  • 氷村巌・・・明のライバル。漫画版での飛鳥了に容姿が酷似している。

デーモン

  • 魔将軍ザンニン・・・人間界征服とデビルマン討伐で後れを取っている魔王ゼノンが業を煮やして呼び寄せた初代幹部。
  • 妖将軍ムザン・・・ザンニン亡き後、後任として登場した二代目幹部。
  • 妖獣ララ・・・ほとんど人間と変わらない姿をした妖獣。ドジで馬鹿な性格。
  • 妖元帥レイコック・・・三代目幹部で女性デーモン族。下半身は4つ足の獣の姿をしてる。

キャスト

  • デビルマン/不動明・・・田中亮一
  • 牧村ミキ・・・坂井すみ江
  • 牧村健作(タレちゃん)・・・山本圭子
  • 牧村耕作・・・鈴木泰明
  • 牧村夫人・・・佐久間夏生
  • アルフォンヌ先生・・・永井一郎
  • ポチ校長・・・八奈見乗児
  • 轟紀世彦・・・北川国彦
  • 東大寺入郎・・・山田俊司
  • 千夜子・・・坪井章子
  • 氷村巌・・・井上真樹夫
  • 桃山ミヨ・・・野村道子
  • 魔王ゼノン・・・柴田秀勝
  • 魔将軍ザンニン・・・増岡弘
  • 妖将軍ムザン・・・矢田耕司
  • 妖獣ララ・・・沢田和子
  • 妖元帥レイコック・・・里見京子

スタッフ

  • 企画・・・有賀健、籏野義文
  • 原案・・・永井豪
  • 脚本・・・辻真先、山崎忠昭、高久進、安藤豊弘
  • 演出・・・勝間田具治、明比正行、白根徳重、西沢信孝、設楽博、新田義方、鈴木実、落合正宗、山口秀憲、及部保雄、佐々木正広、白土武、高見義雄、小湊洋市、
  • 作画監督・・・小松原一男、白土武、森利夫、荒木伸吾、中村一夫、落合正宗、津乃一、邦原真琴、尼寺一美、高倉健夫
  • キャラクターデザイン・・・小松原一夫
  • 美術・・・福本智雄、浦田又治、遠藤重義、秦秀信、土田勇、横井三郎、勝又激、下川忠海
  • 音楽・・・三沢郷
  • プロデューサー・・・宮崎慎一
  • 制作・・・NET、東映動画

漫画とアニメの違い

同じデビルマンというタイトルではありますが、漫画とアニメは別の作品と考えた方がいいと思います。漫画が「悪魔に体を乗っ取られたけれども心は人間のまま」な明が主人公なのに対し、アニメは「明の身体を乗っ取ったけれども人間の愛に目覚めた」デビルマンの話ということで、最初の設定から真逆になっているのが面白い所です。ストーリー自体もアニメ版は勧善懲悪の王道ヒーロー物路線を最後まで貫いているので、最初にデビルマンに入るならアニメ版がオススメです。しかし、漫画版より幾分かライトなだけで、アニメ版も結構毒があるのでご注意ください。どちらも永井豪ワールド前回で、後世まで語り継がれる名作となっています。まだ見たことが無い方はぜひともご覧になって下さい!

原作「デビルマン」

永井豪の名作!「デビルマン」!