原作「デビルマン」

「デビルマン」について

今回の映画は漫画「デビルマン」が原作になっています。この「デビルマン」は変身ヒーローもの企画として、永井豪が自作品「魔王ダンテ」をベースに「悪魔をヒーローとした作品」として基本設定を行いました。漫画版は永井豪が執筆し、「週刊少年マガジン」の1972年25号から1973年27号にかけて全53話で連載されました。同時期に、NETテレビではテレビアニメ版で脚本担当の辻真先がオリジナルストーリーを構成しました。両作については「漫画作品のアニメ化」や「アニメ作品のコミカライズ」といった関係はなく、永井自身が指摘しているような「同一の基本設定を使用して描かれた2つの作品」という関係に近いです。漫画版では、購読者層を少し高めに設定したことと連載を経るごとに黙示録的な世界観へと変遷していったのに対し、アニメ版は低年齢層の視聴者を取り込みやすい勧善懲悪のヒーローものの体裁を取っています。

漫画版のストーリー

不動明は、海外赴任した父の親友である牧村家に居候して牧村の娘・美樹と共に名門学院に通う普通の学生でした。ある日、親友の飛鳥了に地球の先住人類「デーモン(悪魔)」の存在とその復活を知らされます。明は、デーモンと合体して悪魔の力を手に入れることを決意し、その瞬間には理性を喪失しながらも人間の意志の強さや正義感を失うことなく、デーモンの勇者・アモンとの合体に成功して、悪魔の力と人間の心を持つデビルマンとなりました。デビルマンを倒すためデーモンの刺客が次々と送られてきますが、明はそれを次々に倒していきます。しかしデーモンは唐突な合体による攪乱戦術で人間の弱点である「恐怖心」を誘発します。人々は疑心暗鬼になり次々と命を落としていくのでした。明は了の制止を振り払い、単身で無数のデーモンとの戦いに出ますが、しかし多勢に無勢で倒れ、明にとどめが刺されようとします。その時、大魔神サタンが「デビルマンを生かす」との意思をデーモンたちに告げ、デーモンたちは仕方なく明を解放するのでした。解放された明は、一人の力では戦えないと悟り、無差別合体でデビルマン化したものたちを集めデビルマン軍団を組織します。しかし、生物学者がデーモンの正体を誤認し「悪魔の正体は現代生活に不満を持つ人間」と発言したため、人類は悪魔狩りの名のもとに「悪魔特捜隊」が危険人物などを次々と逮捕し拷問にかけて殺していきます。了は、自分が恐怖する予想通りに物事が進むことに不審を抱き始めます。そんな中自宅に戻ると、実は飛鳥了という少年は既に死んでいることを知ってしまいます。混乱する了の前にサイコジェニーらデーモンが現れて、デーモンの支配者・サタンの正体が了であること、了が感じる不安や恐れをゼノンが作戦として利用していたことを知らされるのでした。全てを知った了は明の前に現れ、共にデーモンの時代を生きようと誘います。一方そのころ、牧村夫妻と明にとって最後の希望だった美樹は、町の住人達に惨殺されていました。美樹を失った明は、悪魔のような心を持つ人間に対する怒りと悲しみの中、了との決戦を決意します。両性具有のサタンである了も、愛する明との決戦は避けられなくなりました。やがて20年の時が流れ人類は既に滅亡した後、デビルマン軍団とデーモン軍団との最終決戦・アーマゲドンが始まります。やがて戦いが終わるころ、明の体はもはや上半身しか残っていませんでした。サタンは涙を浮かべて明に謝罪します。かつて地球を支配していたデーモンが創造主たる神に滅ぼされようとして、反発したサタンはデーモン側について戦い勝利して永い眠りについたこと。デーモンが目覚めると地球は人類に支配されており、サタンは地球を荒らした人類を許せなかったこと。しかしサタンが人類に対して行ったことがかつて神がデーモンに行おうとしたことと同じだと気付いたことを、涙ながらに語るのでした。

メインキャラクター

不動明(ふどうあきら)

本作の主人公。悪魔の力と人間の心を持つデビルマンです。合体したデーモン、アモンが強い能力を持っていたことにより、並みの悪魔以上の能力を得ることができました。デビルマンとなり得る資質「善良で純粋な心」を持ち、正義を愛する青年です。元来は小学生時代「東小のサイレン」と呼ばれていたほど、泣き虫で臆病な性格だったのですが、デビルマンになったことで精神に影響を受け、好戦的な性格に変わりました。両親が海外勤務中につき、牧村家で居候しています。スポーツに燃えるより、図書館で本を読んでいる方が性に合っているという性格。後半は組織的な攻撃を仕掛けてくるようになったデーモンに対抗するため、世界中からデビルマンを集めてデビルマン軍団を形成します。

飛鳥了(あすかりょう)

明の親友です。日本人の父と白人の母の間に産まれました。考古学者であった父の研究を引き継ぎ、デーモンの存在を知ってしまいます。そして最も信頼できる人間・不動明とデーモンの合体の準備を整えました。序盤にて明とデーモンの戦いに巻き込まれ重傷を負い死亡したかに見えたのですが、実は生存しておりテレパシー能力が使えるようになりました。後半はデーモンとの戦力差を実感し、人類を犠牲にしてでも明だけ生き残るよう方針転換します。徐々にこれまでの事件が自分の考え通りに展開していたことに疑問を抱くようになり、自身がサタンであることを知ってしまいます。

牧村美樹(まきむらみき)

牧村家の長女。同居人の明とは友達以上恋人未満の関係。明が気弱だったころはよく言えば砕けた態度、悪く言えば見下した態度を取っており、幼少期の失態をからかったり、ドス六に対して無用な喧嘩を展開し、及び腰な明を侮蔑したりしていました。明が好戦的になり、喧嘩にて力量を示してからは、好意的に振る舞うようになります。後半、明が生物学的には人間でないことを知り驚愕しますが、その心は人間のままだと受け入れてくれます。

牧村健作(まきむらけんさく)

美樹の弟。愛称は「タレちゃん」です。その理由は怖い目に遭うと失禁してしまう(おしっこを「タレ」てしまう)からです。

牧村夫妻

明の父と母の親友で、美樹と健作の良心です。両親が海外出張中の明を実の息子のように世話をしています。時代のせいか、デビルマン化した明が喧嘩を半ば趣味のようにしても全く動じず、「喧嘩は若いうちにたっぷりやって良い。大人になればしたくても出来なくなる」と述べています。明が生物学的に人間ではないことが暴露されたため、悪魔特捜隊から逃しますが、その腹いせに本部に連行されて苛酷な拷問を受けることになります。

原作「デビルマン」

永井豪の名作!「デビルマン」!