映画「ピンチランナー」

那須博之監督の作品「ピンチランナー」!

「ピンチランナー」は、2000年5月に公開された青春映画です。那須博之監督作品であり、当時人気絶頂だったアイドルグループ「モーニング娘。」が主演するということで大変話題になりました。マラソンがメインテーマである本作品では、メンバーがマラソン大会に出場するシーンなどがあります。これらは当時、茨城県ひたちなか市で開催された「ひたちなか全国少女駅伝大会」にモーニング娘。のメンバーが実際に参加して撮影した物です。

ストーリー

沈みかけた廃船の先、どこまでも続く海沿いの道を、独り黙々と走り続ける少女がいました。彼女の名前は峰岸あゆみ。品行方正をモットーにする女子高・朝比奈学園の生徒で、たった一人の陸上部員でした。成績は常に学年のトップで、いわゆる優等生。ですが彼女はいつも独りでした。しかし、そんなあゆみを見つめる瞳がありました。1人は朝比奈学園1年の長谷川さなえです。彼女はお嬢様学校の生徒らしからぬ派手な行動で注目を集める元気娘です。そしてもう1人は同じ町の男子校の生徒でサーファーの後藤俊也です。彼にとって、毎日海沿いの道で見かけるあゆみは気になる存在となっていたのでした。あるひ、陸上部の部室がある老朽化した体育倉庫に落雷が直撃します。中には練習から戻ったばかりのあゆみが・・・。彼女は落雷の衝撃で気絶していて、部室が火事になっていることにも気づけていません。燃え盛る体育倉庫の前では、陸上部入りを決意していたさなえ、その良き理解者で大病院の娘である松本道子、バスケ部のエース・仙道麗子、同じくバスケ部に所属しているが誰からも相手にされない林原真穂の4人が降りしきる雨の中で何もできずに立ち尽くしていました。そのころ俊也は、見かけはボロですが学生たちに人気の町のパン屋に仲間と共に向かっていました。その中には幼馴染の俊也に思いを抱く朝比奈学園の生徒・神崎知子の姿もありました。と、そこへ朝比奈学園で火事があったという知らせが入ってきます。急いで学園に向かう俊也たち。パン屋の店員で学生たちの姉貴分的存在の増田郁恵も一緒に駆けつけます。グラウンドに駆けつけた俊也に向かってさなえが叫びます。「お願い、助けてあげて!」俊也は知子が止めるのも聞かずに炎の中へと飛び込んでいきました。気を失って倒れているあゆみを抱えて外にでる俊也。朦朧とした意識の中で、俊也が身に着けていたハワイアンジュエリーだけがあゆみの記憶に残ったのでした。この火事をきっかけに、彼女たちには不思議な友情が芽生え始めます。たった1人の陸上部には真穂とさなえが加入し、あゆみを恋のライバルと認定した知子も陸上部入りを宣言します。バスケ部のエースである麗子もレギュラーを外される屈辱にあり、自殺未遂騒動を起こし、その後陸上部へと入部しました。聾唖の母親との関係に悩むあゆみ。父親から躾と称して暴力を受け続けている真穂。治療法の無い心臓病を抱え、死の恐怖と隣り合わせにいる道子。初めての挫折に自分を見失う麗子。じぶんらしく生きたいと願うさなえ。頑張る事を拒否してきた郁恵。俊也への届かぬ思いに心を痛める知子。それぞれが、それぞれの問題を抱えながらも、駅伝大会出場と言う目標を通じて気持ちを一つにしていきます。部員5人、マネージャー2人の陸上部では、だれか1人でも欠けたら駅伝は成立しません。それは、空に架かる7色の虹が、どれか1色でも欠けたなら虹として存在しないのと同じようなもの。彼女たち7人も、友情という名の襷で虹を架けるべく、駅伝大会へと挑みます。自分を信じ、仲間を信じた7人のレースが、今スタートしました・・・。

キャスト

  • 増田郁恵・・・中澤裕子
  • 仙道麗子・・・飯田圭織
  • 峰岸あゆみ・・・安倍なつみ
  • 神崎知子・・・矢口真里
  • 松本道子・・・保田圭
  • 林原真穂・・・市井紗耶香
  • 長谷川さなえ・・・後藤真希
  • 俊也・・・押尾学
  • 愛子・・・北川弘美
  • 校長・・・北村総一朗
  • 町田先生・・・光浦靖子
  • 高山先生・・・近藤芳正
  • 峰岸孝子・・・松坂恵子
  • 真穂の父・・・斉藤洋介
  • マラソン選手・・・エスタ・ワンジロ
  • 智・・・高田宏太郎
  • 弘・・・美勇士
  • 明・・・内田滋啓
  • 登・・・田中信行
  • 悟・・・荒川智大
  • 良男・・・大塚朝之
  • 八百屋・・・迫英雄
  • 魚屋・・・山の湖

スタッフ

  • 企画・・・山崎直樹、岡田裕介、宮川鑛一
  • 監督・・・那須博之
  • 原案・・・萩原史子
  • 脚本・・・斎藤葉子、益川知実
  • プロデューサー・・・佐藤尚、冨永理生子、福田一平
  • 音楽・・・前嶋康明
  • 撮影・・・藤石修
  • 助監督・・・上山勝彦、本多幹祐、神徳幸治
  • 脚本協力・・・山田政史、桂樹茉莉、プラネット・ラボ
  • 製作担当・・・菊池敦夫
  • 音楽プロデューサー・・・津島玄一、宮地修平
  • 音楽制作・・・東映音楽出版、ローファーズハウス
  • 美術・・・和田洋
  • 装飾・・・大庭信正
  • 録音・・・柴山申広
  • 音響効果・・・真道正樹、深井康幸
  • 照明・・・渡辺三雄
  • 編集・・・只野信也
  • スタイリスト・・・深美きよ美、松田綾子
  • ヘアメイク・・・高橋和美、丸山智美、望月志穂美、中田マリ子
  • 操演・・・羽鳥博幸
  • 製作進行・・・土田真通、河野隆志、若月健太郎、町田虎睦
  • ランニング指導・・・山下誠(玉川大学陸上競技部コーチ)
  • 手話指導・・・松田一志(ワールドパイオニア)、宮澤典子

感想

「ビー・バップ・ハイスクール」以降の那須作品で、唯一奥さん以外の人が脚本を書いた作品です。当時は人気絶頂のモーニング娘。がスポコン映画をやるということで大変話題になったのですが、今となっては芸能界から消し去られた人物やら、主役級で出ていたのに不倫で表舞台から去った人間やらが出ている映画なので、もはやテレビで放映されることも無い作品となってしまいました。アイドル映画ですから、ストーリーに無理があったり、ご都合主義だったりするのはご愛嬌かなと思います。特に、雷が落ちて部室が火事になってそれをきっかけに部員が増える展開はちょっと無理矢理すぎる気がしましたが、「デビルマン」に比べればどうってことないでしょう。登場するモー娘。の面々はそれぞれに悲惨な運命を背負っていて、可哀想になります。中澤裕子さんは流石に高校生役は出来なかったようで、パン屋のおばちゃん役で出てくるのですが、そのやっつけ具合が既に可哀想です。しかし、アイドル達が一生懸命に駅伝を目指して走る姿は青春映画らしく、爽やかな感動があります。また、彼女たちを可愛く撮ろうという努力も見て取れるので、モー娘。ファンだった人たちには堪らない映像なのではないでしょうか。今ではすっかり芸能界の大御所となってしまった元モー娘。メンバーのまだ初々しい姿が見られる貴重な映画です。

監督・那須博之

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